金曜日, 10月 09, 2009

少年期A Goodbye Yellow Brick Road

 僕らはマウンテンバイクに跨って、はるか彼方、自然公園より先の荒川へ自転車を飛ばすー。釣りのために出かけたのだけど、竿を持っているのはY君だけだった。土曜日の朝、僕は家族が寝静まっている中、一人小さなテレビの前に座り、釣り番組とアニメを見ていた。静かで平和な朝だった。ルアーを使い、巨大なバスを釣り上げる。まるで実感のない憧れがそこにあった。そしてその日、彼らとともに自転車を走らす。小学校の中学年の僕は、そんなに遠出をしたことがなかった。

 自転車といえば、幼馴染のお母さんの支えを解かれたことで補助輪を外すことのできたばかりだった、幼稚園の年長のとき、小学校一年の友達と一緒に、貯水池としても使われるコンクリートで囲まれた公園の中、自転車でおいていかれないように必死に走っていたところ、カーブで曲がるところでバランスがくずれ、頭が階段の角で切れ、血を流しながら倒れた。周りは顔面蒼白だった―。気がついたら僕は医者に囲まれ、頭を針で縫われていた。ただ僕は泣き叫んでいた。

 自転車。自転車置き場においていたのにもかかわらず、僕は数回盗まれたことがあった。だらしがなく、被害者だった。そういう人間こそ、自分が加害者であり悪である、と自覚することの壁はとても高いものなのだ。僕はよく落としている物を拾い、自分のポケットにいれてしまう人間だった。同時に、手袋やノートなど、あらゆるものを失くし、母親にきつく怒られる。一人で手袋を探すために暗い通学路を、凍えながら歩くほど惨めなものはないのだ。I've Seen That Movie Too.

 その日につれたった友人は、活発で運動も得意なYと、農家の家の子のSだ。自転車で、遠い遠い距離を並んで走る。ただそのときの記憶はほとんどない。荒川に到着した。Yだけが竿をもっていたのか、それとも僕だけが竿をもっていたのか、どっちだったのだろう。とにかく、順番に竿を持たせてくれて、リールを巻いた。しかし、魚が食いついてくる気配もなく、僕らは川岸を後にした。

 その後僕らは自然公園へむかった。

 いつごろから雨が降り出したのだろうか。とにかく雨をしのごうということになり、雨は勢いを増していく。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

Twitter

自己紹介

ブログ アーカイブ

ページビューの合計

ラベル

こんな音楽つくってます