日曜日, 12月 17, 2017

話数単位で選ぶ、2017年TVアニメ10選


ルール
・2017年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメから選定
・再放送は除く
・1作品につき上限1話
・順位は付けない


話数単位で選ぶ、2016年TVアニメ10選

話数単位で選ぶ、2015年TVアニメ10選



・昭和元禄落語心中 助六再び編 第十話

ツイッターではその時「話としては大きく動かない話であるのに、本当に昇進させた、どこまでも広がるような演出、素晴らしいの一言」とかいた。あのラジオから流れる落語を聴く、桜舞い散る春の(異様な)穏やかな描写よ。そうしてあの十一話へと繋がる。


・けものフレンズ 第1話 「さばんなちほー」

もはや全話通して何度繰り返し見たのかわからず、人生で初めて円盤をマラソンしてしまったけものフレンズ。敢えて、放送当時に自分も含めて多くの視聴者から見切られてしまった第1話を選びたい。「肯定」の作品。


・小林さんちのメイドラゴン 第5話「トールの社会勉強!(本人は出来てるつもりです)」

毎週必ず2回はみていたこのアニメ。当時SE業をしていたので、背景も含めて色々と共感しながら楽しめた。山田尚子演出回もいいのだけど、「居場所」はどこかを考えるこの回を。


・魔法つかいプリキュア! 第49話「さよなら…魔法つかい!奇跡の魔法よ、もう一度!」

Bパートで、大学生となったミライが、再びリコと出会いたいと、公園で幼少期に唱えていた魔法の言葉を叫び続ける。子供向け作品ながら、時間の経緯のドラマを、細田守が手がけた最高傑作「おジャ魔女どれみ」の話をすこしだけ彷彿とさせる演出に驚いた。


・リトルウィッチアカデミア 第11話「ブルームーン」

全編に渡り完成度の高いエンターテインメントアニメーション。特にこの回での「扉の中に進め。“未来”はお前のものになる。だが、輝かしい未来を手に入れる代わりに、お前は過去を失う。未来はただでは手に入らぬ、“過去”を捧げよ」の応答のシーンが忘れられない。


・プリンセス・プリンシパル 第6話「case18 Rouge Morgue」

ドロシーとその父の話。衝撃的かつ見事なED。


・アリスと蔵六 第11話「女王と魔女」

この漫画は、幼少期における不思議の感覚を具現化させた演出が見事だった。そこでの冒険の一端をアニメーションとして一番描かれたのがこの回だった気がする。コトリンゴも参加したED曲も大好き。そして子どもがクレヨンで描いたような画が最後に写される。


・メイドインアビス 第1話「大穴の街」

緻密な背景と、Kevin Penkinの音楽が効果的に使われた、物語導入の演出に圧倒された。


・宝石の国 第8話「アンタークチサイト」

恐らくより壮絶な結末が描かれるのだろうが、現時点ではフォスの姿が変容するひとつの出来事が描かれたこの回を。


・少女終末旅行 第8話「記憶」「螺旋」「月光」

素晴らしいのは、EDまでひとつの短編映画のような体としてまとめられた9話なのかもしれない。ただ僕は8話での月明かりでのダンスに泣いてしまったのでそれを挙げたい。



話数単位で選ぶ、2016年TVアニメ10選


ルール
・2016年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメから選定
・再放送は除く
・1作品につき上限1話
・順位は付けない




・昭和元禄落語心中 第三話

全話素晴らしいのだが、一つ選ぶとなるとこの3話。2話から師匠の物語。戦前から戦後にいたる時代のドラマ。最後の帰ってくるシーンが印象的だった。





・響け!ユーフォニアム2 第10話 「ほうかごオブリガート」

劇場版でも山場として使われた、久美子が渡り廊下であすか先輩に本音で感情をぶつけた話。エンディングが素晴らしい9話(しかもセルフタイトル)「ひびけ!ユーフォニアム」と迷った。




・フリップフラッパーズ 第1話「ピュアインプット」

全編独特の作風で、友人に勧めたところ最終的に全巻Blu-rayを購入するまでにいたるまでにハマってしまったよう。個人的にはこの1話のピュアイリュージョンの空想表現からのエンディングアニメーションの感覚が好きだった。


・Rewrite 第1話 「世界か自分か」

正直に言うと最終回までみても、Rewriteのアニメ化はしっくりこなかったし、個別ルートの中途半端な端折り(特に小鳥ルート)は受け入れがたいものがあったが、この1話の勢いはかなり期待させるものがあった。


・灼熱の卓球娘 第3話「好きっ!!」

スルーしていたタイトルだったけど、この話をみて慌てて全話観るに至った。卓球試合中のエモーショナルなビートの音楽と感情をそのまま絵としていて、その躍動感がほかでは体験できないものだった。


・Re:ゼロから始める異世界生活 第18話「ゼロから」

この年一番の話題作だった。かなりハードな展開からのこの18話で行うレムとの告白劇はドラマティックだった。


・甘々と稲妻 第7話「五平餅とだいぼうけん」

病気で倒れたおとさんのために買い物へ行くつむぎちゃんの、前半のわくわくする描写、後半の現実的な描写の対比。感情的になるおとさん(声がCLANNAD主人公役の中村悠一)の演技だけで鳥肌。


・うどんの国の金色毛鞠 第4話「屋島」

同じく中村悠一が父親?役のアニメ。この話をみて香川の屋島へいきたくなり、実際に2017年にいくことができた。姉が母性をみせる描写がよかった。


・夏目友人帳 伍 第10話「塔子と滋」

塔子さんの過去の物語。


・おそ松さん 第1話「復活!おそ松くん」

DVD欠番話。おそ松くんアニメ初期を彷彿とさせる演出からのぶっ壊れた展開に開いた口が塞がらなかった。

話数単位で選ぶ、2015年TVアニメ10選


ルール
・2015年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメから選定
・再放送は除く
・1作品につき上限1話
・順位は付けない
・放課後のプレアデス 第8話「ななこ13」
2話で宮沢賢治の歌がつかわれて、一気に引きこまれました。ここ数年で一番SFをまっとうに演出した良作です。最終回近辺はもちろん、4話「ソの夢」も素晴らしかったです。
・アイドルマスター シンデレラガールズ 第24話「barefoot girl」
主人公なのに一番内側がみえなかったデレマス。十代の本音の感情って、生の若者本人の叫び以外に大人が演出してつくると、途端にうさんくさくなっちゃうけど、公園の「あんた」からの一連のやり取りは、本当にうまかった。努力してるだろという殻をほぼ外側からしか見せないなんて、中々できないよ。

・ガッチャマンクラウズ インサイト 第10話「seeds」
物語がまた急転したCharlotte凄かった(混乱まではせずとも惹きこまれた)。でもその数時間後に放送したガッチャマンクラウズインサイトの最新話、ようやく今この国の「空気」について、かつて60年前の「空気」についても束ねて、決着をつけていく様、変化の躍動感、鳥肌立った。

SNSの方向性や情勢についても予言的ですらあった、ガッチャマンクラウズインサイト。寓話だからこそ「考えること」を描けたと思います。
・Charlotte 第7話 「逃避行の果てに」
自分が麻枝准トリビュート同人誌に参加したこともあり、今年一番盛り上がってしまった作品でもありました。この話では妹を失った事で自堕落になった主人公をこうこうと追っていく話。学園や組織話の最中で、ただの荒んだ生活描写を描くだけで、伝わるものが色々とあったのだと思います。ラストを含み。
・ゆるゆり さん ハイ! 第8話「それは、誰もが手にする笑顔のカケラ。」
まったく期待していなかったゆるゆり3期が、これまでの作品を上回る挑戦的な演出、丁寧な人物描写に、すっかり関している今日このごろです。特にこの話のAパートにおいては、セリフを排し、音楽によってのみの表現でびっくりしました。
・幸福グラフィティ 第1話「ほかほか、じゅわっ。」
コトリンゴの音楽、活き活きとしたキャラクター(特にきりん)、そして美味しそうなごはん。これを観て一時期自炊に嵌まってしまったのはないしょです。EDも、そして次回予告まで美味しく頂きました。
・ローリングガールズ 第6話「電光石火」
映像ストリーミングサービス「hulu」のおかげで、後追いながらとても夢中になって、そしてある意味では救われた作品です。今更になってブルーハーツにやられもしました。非常に特徴的な絵作りにかっとんだ脚本。夏のライブイベントにも行ってしまいました。第6話は名古屋での父と娘とバイクの総決戦。
・のんのんびより りぴーと 第4話「てるてるぼうずを作った」
三割引弁当食べながら、昨日の のんのんびより りぴーと 第四話を見てたら、ぼろぼろ涙が止まらなくなっちゃって飯どころじゃなかった。ただの田んぼでつかまえたカブトエビの話。下手な盛り上げ方とか、お涙頂戴みたいなことを絶対にしない引いた演出で、雨の中立っているだけでもう・・最後がまた

田舎をスローに描く日常アニメ。第一話に至っては校歌を背景に、市井の人々の生活、風景が刻々と描き続かれあぜんとしました。この話は、意図的に泣かせようとしない、手を出さない親のような視線で、丁寧に描き切ったからこそ生まれた強烈なエモーションがありました。
・響けユーフォニアム 第8話「おまつりトライアングル」
響け!ユーフォニアム第八話「おまつりトライアングル」観た。
何十年か経った後も、また見返したくなってしまうような、そんなある種のマスターピースのような一話だった。交錯する思いや、真剣な心持ち、たった二つの楽器の静かな最後のエンドロール。しばらく全ての音を消して余韻に浸りたい。

数あるアニメ作品の中でも、こんなにも一人の人間としての感情を正直に描けた作品は早々無いでしょう。
・SHIROBAKO 第19話「釣れますか?」
数年前の映画愛に満ちた作品が多くノミネートされたアカデミー賞を思い出す。過去数十年から今に至る日本のアニメーションへの愛とリスペクトに満ちた話だった。SHIROBAKO。 

昨年末から今年のはじめ、最も熱心に(リアルタイムで)観ていたアニメ。特にこの回における、日本のアニメーション史、いや映像メディア史における、アニメとはなにか?という突き詰めた表現としての可能性の豊かさを活き活きと演出した傑作回です。今年一番好きな話でした。

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