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3月から広い新居で一人暮らし。まだまだ寒い風の吹く二月末から、色んな家具や、家電の買い物、引っ越しの準備と片付け、色んな所での契約や身分変更、初めての一人暮らしに思う不安の日々、内定先への課題もこなしていき、バイトをやめ、ようやく独立できるのか・・・
と思った最中の、大地震前日に知った単位申請の不手際から起こった、予備にとった科目がとれなかったことによる進路の挫折と、大地震でおきた混乱。
色んな人に心配と迷惑をかけ、内定と卒業を失って、またもや色んな現実と否応なしに向き合わないといけなくなった。東北では巨大な数の死者、今尚続く大地震、今まで築き上げてきた何もかもを失った人達がいる中で、いったい自分は何をしているんだろう。
大学へまた百万円以上を親に払ってもらう必要性をちゃんと示さないといけないのに、社会から何だかぽつんと置いてきぼりにされてしまった気持ちのまま、朝起きる時間もばらばらに、一応掃除洗濯買い物などの家事をこなしつつ、世間がスーツを来て社会に出ているさなか、ネットやアニメを見ていて日々つぶしてく毎日。(単純でパターン化されて分かりやすいアニメを見続けた悪癖からか、「わたしを離さないで」を高校生のころのように、集中してみられなくなってしまったとも感じたり)
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) | |
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序盤に現れる手術台と、それをみつめる女性。医療ものだったら嫌だなあと、不安になっていたら、その女性の子供の頃の、厳しい特別な学校へと舞台が変わった。
新任してきた先生が、生徒が柵の外に出ないのは、これまで出て行った生徒たちがみな、残酷な死を迎えたからと説明されるシーン、
また喫茶店でのオーダーの仕方といった不可思議な授業辺りから、次第にその異様さに僕は気がついていく。
また主人公の女の子キャシーが、いじめられてはキレて、心のそこから叫んでる男の子トムの所へ駆け寄った時、顔をその子にひっぱたかれてしまう。
映画「告白」とまではいかないが、先ほどの新任が生徒たちに対して、突然「将来の夢」の話をする。アメリカへいって俳優になる人、スーパーマーケットで働く人など…。しかし君達はそうじゃない。
(以下、物語の結末までネタバレしております。)