水曜日, 4月 21, 2010

村上春樹 1Q84 book3 よみおわった不完全過ぎる感想





ジャズ、話し声、14:58。甘いミルクシェイクを580円で買った。230円のパンケーキ。前者はクーポンでタダだけど、甘い。珈琲店でミルクシェイクを飲み、出た後、缶コーヒーを飲むのはどうだろうか。脳内をそのままテイクするという感覚はいまいち分からない。言葉だけじゃなくて、映像や音楽や画像が脳を過る。360×360度。パンケーキをフォークで食べたら崩れてしまった。くっついていた席を話したら、向かい隣に若い女性が座るらしく、白いバッグと透明傘をおいて行った。シェイクが飽きてくる。

1Q84 BOOK 3
1Q84 BOOK 3
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おすすめ平均 star
star世界は確かにそうなっているのかもしれない
starドストエフスキー的全体小説はまだ遠い
star長年のテーマに対する回答だったと思います

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以下ネタバレあり

村上春樹が切り取る描写ってなんだろうか。「アフターダーク」と「風の音を聞け」は、まるで描写方法が違う。高校生になってまとめて村上春樹を読むようになって、年代を無視して彼の本を読み続けていったが///

1Q84でようやく彼は、組織を無視した本当の意味の「神」について、そして妊娠について描写を書いた。あの、青豆が妊娠に気がつき神に気がつくあの中間の箇所を読んでいてどきどきしてしまった。

“人は受け取ったものの代価を支払わなくてはなりません。” 1Q84 book3 p280より。
posted at 23:19:07

村上春樹の描く性描写は美しいけれど、そこに嫌らしさ汚らしさが完全に欠如しているし、実際的じゃない。欲望さえも美化され芸術的にクールな存在としてある。「ノルウェイの森」の同性愛描写もまたとても美しいものだった。そして内心の苦しみと混沌についても、神秘的な視点で彼は切り取っている。

そして彼に取っての汚らしさ、暴力への描写も現実的じゃない。必ず不意に極端な暴力が描かれ、それが日常を綴る数十ページが白く流れるようなものだとしたら、次のページでいきなり真逆の色によって刳るような暴力描写がくるものだから、そのたった一度の暴力シーンが最後の「抜け出した」あとの物語の結末後も、嫌な感触として頭に残り続ける。「ねじまき鳥クロニクル」にある、人間の皮剥の拷問、「海辺のカフカ」にある、猫の臓器取り。それらから、現実にある自分自身としての肉体的の当たり前の苦しみというものではない、遠い世界の目を塞がなくてはいけない暴力として捉えてしまっていた。

そしてエリート組織、宗教団体についても、淡々と日常を過ごす青年に敵対した存在として現れる。特に新興宗教やオカルトについては、表面上の組織としての問題点を多く描写してきたが、今回に関しては、信仰の奥底には何があるのかというところまでを描いていた。それと全く同様なのがセックス描写「後」、起きるはずの「赤ん坊」の存在をようやく描かれたことだ。村上春樹の書き方は年を重ねるごとにクールさが失われていき、より土着的になっていき、肌にあわなくなってきたところも多かったけれど、今回ついに、目の前にある世界にある暴力、そして神秘、その結果、組織ではないひとりの人間がみる信仰、それらを形として表された。僕が大好きな映画「トゥモロー・ワールド」では、不意のテロ暴力、死とともに、「出産」が非常に強調され描かれている。あのような力強さまでは感じることができなかった(この話では妊娠までにとどまっていて、出産や子育てについてはない)が、オウム後にあったセカイ、形なき存在から、9・11後にある現実的な暴力と神秘について、形ある存在として目の前に現れてよかった。

牛河の土着的な、同情してしまう醜さ。そしてえ!?て最後はなんていうか・・・

青豆さんと天悟くんの最後は、あまりに運命を強調したラブストーリー過ぎたかなぁ。

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