「これは地雷(期待はずれ)かもしれない」→以外にも正統派戦争映画!?
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(関係ないけどBOREDOMSのSuper Areなう)
観に行ったきっかけは、アカデミー賞うんぬん以前に2個あります。
1つ目は、「トゥモロー・ワールド」以降、硬派で斬新で好評な戦争・SF映画をできるだけみたい!と思うようになったから。「ブラインドアイズ」「第9地区」なんかその一例かな。2ちゃんスレの CHILDREN OF MEN : トゥモロー・ワールド 6人目 をちょくちょくチェックしてます。
2つ目は、これまた当ブログを作る際に大変参考にさせていただき、紹介される映画がどれもいいセンスだなあと、よくおじゃまさせていただく、すーさんのブログ 男たち、野獣の輝き~す一の映画、漫画、ゲーム日記~ で、早い時期からプッシュがあったからです。
- 2009-11-07■[爆弾][漫画][映画]爆弾といえば
たびたびネタにしているキャサリン・ビグローの『ハート・ロッカー』が観たいなあと。 - 2009-11-02 ■[映画][BD]キャサリン・ビグローの『ハート・ロッカー』がアメリカではもうブルーレイ
結局日本での劇場公開はナシなのか? - 2009-12-14■[映画]LA映画批評家協会賞に『ハートロッカー
どんどん置いてけぼりだ - 2009-12-17■[映画]『ハートロッカー』の 日本公開が3月6日に決定!!
やったぜ父ちゃん!!! - 2010-01-04■[映画]『ザ・ハート・ロッカー』が全米批評家賞作品賞監督賞受
今回は良い脚本に巡り会えたのでしょうかね。 - 2010-01-05■[映画]キングもハートロッカー押
これだけハードルが上がると不安になってくるぐらいです。 - 2010-01-22■[映画]『ハート・ロッカー』日本語サイト
アカデミー賞とかとったら面白いのになあ。爆弾解体映画が作品賞って今まで無いのに。 - 2010-02-01■[映画][予告]『ハート・ロッカー』の日本版予告編
全米が泣くような映画はもういいよ と言う気合を感じる予告編ですね。 - 2010-02-22■[映画][ニュース]『ハート・ロッカー』英国アカデミー賞で圧勝
何だかんだで来週末には観られるんですね。うひょおおお!!! - 2010-03-05■[映画]明日は『ハート・ロッカー』を観に行きます
「絵はいい!!」にだけはならないでくれよ!!
うおおお、これはみたいい!!!と公開前からとてもわくわくしてました。
参考に、海外予告編
国内予告編
内容も戦争映画というよりも、今まで見たこと無いような凄い映像がみれんのかな~という、いわば「トゥモロー・ワールド」的な部分を期待していたのかもしれないです。「第9地区」とごっちゃになっていたところも・・・
アカデミー賞もTwitterとユーストリームをまたぎ、(ちょうど休日だったこともあり)リアルタイムで結果速報をみていて、作品賞のあっけない発表によって今年のアカデミー作品賞が決まった瞬間も印象的でした。しかし、上に貼らせて頂いたすーさんがハートロッカー鑑賞後に書かれたブログの感想記が意外なものでした。(アフィリのブルーレイもなくなっちゃった)おそらくすーさんも期待度があまりにも高かったからこそ、はっきりと0点という厳しい評価をくだされたのではないかなぁと思います。「クール・ジャパノロジーの可能性」というシンポで、黒沢清さんが「悪質なプロパガンダ映画」と批判されていたというTwitterのTLも目に入り、「これは地雷かもしれない」と思うように・・・
参考:
- 様々な評論家による映画評があります→ 映画評「ハート・ロッカー」 - zames_makiの日
- 2010年3月6日(土)「クール・ジャパノロジーの可能性」の黒沢清氏によるハートロッカー評の抜粋音声↓
またこの映画を、友人ふたりを誘って見に行く予定だったのですが、前回一緒に行った涼宮ハルヒの消失の二人の感想があまりにも残念なものだったこともあり、次に自分がすすめる映画がまずかったらどうしようというおそれも出てきました。アカデミー賞も取ったことで初めてこの映画に興味をもった人、そしてマスコミの為に、下手に注目されたのも・・・ね。しかし、観に行かなくちゃ始まらない。
(あ、ボアダムスおわっちゃった。以下文体も変えます。)
以下、結末までのネタバレあり、要注意。
就活でスケジュールが全然開かず、20日になってようやく空きができたこともあり、上の友人ふたりを連れそり、恐る恐る映画館へ向かった。ちょっと遅れたせいで「第9地区」の予告編が途中からしか見られなかったけど、あれ相当ネタバレでは・・・・・・・?宇宙人見せるのはSFパニックものとしてご法度じゃないのかあ。今日は蒸し暑く、館内も若干暑かった。さらにアカデミー作品賞作品というだけあり、満室。そんな中、序盤は終始爆弾処理の緊迫するシーンが続くため、本当の意味で手に汗かき、息苦しかった。隣の席もおっちゃんだったな。
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(2010年4月2日後述)Twitterをやるようになってから、ブログに長文を考えて書けなくなっちゃったなあ。どうも集中できない。昔はケータイで映画を見終わってすぐぽちぽち打ってたんだけど、いまiPhoneを使うようになって、まず長文を打つのが非常に面倒になったので、iPhoneをつかってブログを書くこともなくなっちゃったってのも、ブログ記事をまともに書くことができなくなった一因なのかも。しかも、今回の記事は、ハートロッカーに対する反論を幾つか取り上げたということもあり、それぞれにちょっと気をつかったり、音声ファイルだかを貼る技術的なことにやる気がそれてしまったために、肝心の感想を書けなくなっちゃた。
この映画は、冒頭で書いたように、僕はとにかく「正統派」に攻めたなあ、というのが最初の印象。これまでの異様なこの映画の取り上げ方から、どんな問題作かとハラハラしたが、そういう感じの映画じゃなかった。友人は、終始手持ちカメラ映像だったことに、ちょっと気持ちが悪くなったといっていたが、自分は何故かそこまで手持ちカメラだという印象はなかった。編集も、一部スローモーションにするところ以外は、至って普通。そういう印象付けとしては、やっぱり最後の「一度戦場にいったら、もう一般生活を送ることはできない。戦場に居続けなければ自己存在の意味がない」みたいな、在り来りといえばありきたりの締めがあったからかも。
それでも、戦場から帰宅したかどうか全く判らず、クレジットもないなかで、突然、一人ぼっちでガランとしたスーパーマーケットにいるシーンに繋がるところは、その解説のなさの冷ややかさが独特だったのかもしれない。今まで観たことのない、ちょっと冷めた孤独の描き方だなあと思った。「2001年宇宙の旅」は、本来はずっと技術的なナレーションが付くはずだったが、監督が終りの方で全てナレーションをカットしたために、現在のように、哲学的に様々な見方のできる難解であるが、冷めた孤独な印象の作品となっているけれど、本作も、そういった余計な情報が少ない分、(任務完了まであと〇〇日、◯年後、場所:〇〇みたいなのはちょろっと出るくらい)全て一人の男の見方として繋がったものになっている。
しかも面白いのが、主人公は最初のシーンには登場しない。3人1組の爆弾処理班による、イラク住居地の道路にあった(反米分子?による)爆弾を、爆破させないように解除するシーンから始まる。ロボットが人ごみの中をたらたら進むが結局使い物にならずに、前任の爆弾解除人が解除に向かうが、住民に紛れ込んでいた分子がケータイをつかって爆破、前任者は死亡。そうして主人公ジェームズが後任者として登場。その初登場シーンが、寝そべってメタルをガンガンに流している、うさんくさそーな奴で、この地点でこいつが主人公とわかる人はいないんじゃないだろうか。
だが、次の爆弾処理のシーンから、その男がロボットも使わずに身勝手に処理していく様に、今までのメンバーが苛立だしていて、カメラはどちらかと言えば、身勝手な主人公に振り回されている最初の二人のほうへの視点のほうが強い。しかし、途中の思わぬ銃撃戦で、飲み物を手渡すシーンあたりから、主人公に対する良心的な感情が生まれだし、見方も変化していくのだ。しかしそれでもカメラは、主人公(の内心)にスポットを当ててはいない。
視点が変わるのが、インチキDVDを売りつけてくるイラク人の少年との交流と、その後の「少年」に関する問題で、彼の感情がようやくスポットされていく。体内に爆弾をいれられ、死んで横たわっている少年のシーンが、劇中もっともエグいシーンともいえなくもないが、視聴者も「この子がさっきのDVDの子?」と同情してしまう。それは、スポットが引いたものから、主人公に近づいたものだからだろう。とにかく、カメラの視点が変化してきた当たりから、この映画の流れというものが出てくるんじゃないだろうか。戦争じゃない、ひとりの男が勝手に経験してしまうサイドストーリーこそ、この作品の醍醐味だ。少年の両親に銃をもって入ったり、部下を連れて勝手に銃撃戦をしたあげく、その部下に怪我を負わせて(お前のせいだ!と罵られつつ)別れてしまったり、、そういう描写っていうのは、戦争やら反戦やらとはちょっと視点がちがうとおもう。そういう観点でこの映画が批判されたり評価されたりするのは、根本的にずれてるっと思ったり。
他のイラク戦争ものの映画を観たことがないし、「キネマ旬報」3月下旬号特集でもハートロッカーが取り上げられているなか、よく他のイラク戦争ものとして、「リダクテッド 真実の価値」という映画を比較対象として書かれてたが、これらの感想も「アメリカのみの」視点を批判したものも多かった。逆に、評論家の町山智浩さんのTwitterなんかでは、米軍のこの爆弾処理班の正当性をうったえたツイートが流れたりした。片方しか知らないと僕は両方共正しいと思うけれど、いま冷静に考えると、「国」をこの映画に当てはめると確かに問題が色々出ている中、それ以外の描写に関しては、ひとりの男の淡々とした、それでもねじ曲げられていく姿が、前述したように『2001年~』のように自分では感じられた。
戦争映画としては、イラク戦争真っ只中で公開された『ジャーヘッド』という、予告編にカニエ・ウェストのジーザス・ウォークという曲が使われた、ベトナム戦争の前線にいけずに待機しっぱなし、という内容の映画が、比較としては出せるんじゃないかと思った。この映画は(カニエに釣られたという気持ちもなきにしもあらずだけど)、主人公たち海兵隊員が『地獄の黙示録』を戦地にいくまえに見て、うおおおおおって歓声をあげていたのに、結局地味な訓練と後片付けしかできなくて、一発の銃弾を打つこともなかったっていう、何が言いたいのかよく分からない映画だった・・って記憶があるけれども、あれも『国』やら『戦争』映画に対するアンチテーゼとして成り立っていた。『ハートロッカー』は、『ジャーヘッド』での、狂気ってそうじゃないだろ?っていう見方を受けた上で、作家で言えば、後期の村上春樹の主人公な感じに、クールで堅実ではあるけれども、どうしようもない無茶苦茶な行動をして苦しむという、そんな新しいというか、戦争映画というレッテルから抜け出したタイプな気がする。
(見終わってからだいぶたったけど、以外に書けるもんだなあ。取り敢えずほっ。)
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