土曜日, 3月 06, 2010

蟹工船 小林多喜二 2度目の読破




三浦綾子の母を読み終えたので、モデルの多喜二の代表作をもう一度読み返してみた。

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)
蟹工船・党生活者 (新潮文庫)
新潮社 1954-06
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おすすめ平均 star
starフィクションです
star不当な搾取に立ちあがる労働者たち
starそんなに共感できなかった・・・。

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この本は、
「々」を特殊な文字で書かれてるため、読みづらい。
②方言ばかり。
③主語が曖昧。
④セミドキュメンタリーのような形状。

よって、「主人公」が存在しないし、起承転結というストーリーではない。
微妙な表現だけど、「2001年宇宙の旅」に存在する唯一のストーリーといってもいい「乗務員を殺していくHAL9000」のお話が、『蟹工船』のなかの「労働者VS監督」のよう。だから、周りの労働者の悲惨な実態、資本家たち搾取者たちによる、労働・戦争利用の説明が、合間合間にどんどん埋め込まれていくため、本来こういうタイプの本にありがちな、労働者達に読者がのめりこんでいき、同調していく・・・という感情輸入して読む読み方が出きない。

それだけ多喜二がクールなのか分からない。ただ、労働者たちがボロボロに、非人間的な仕打ちを受ける様は直接的出はない分、逆にリアルだし、最後に「学生」らによって、支配者である監督に反撃し、サボをする様は、やはりパンキッシュに感じる(それも挫折に終わるのがいい)。ヤーヤーヤーズの1stをiPhoneで聴きながらこのシーンを読んでたからかも。

前回とはまたずいぶん感じの違う感想文になりましたが悪しからず。(そういえば映画って全然話題にならなかったけど、どうなっちゃったのか?と思ってちょっと調べたら、下手に現代的にわかりやすくしてギャグ要素まで取り入れ、学園物語的なすっきりENDにしちゃったらしい。見て無いのでいろんな感想からの勝手な憶測です)

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